組織を躍進させる優秀な人材はどんな人?

介護の世界に限ったことでは有りませんが、どの業界でも『効率化を上げること』はとても重要です。効率化を上げることができれば、少ない時間で同じ成果を出すことが出来るようになります。そして同じ時間働けば多くの成果を出すことが出来ます。
無駄を省き、重複作業を減らすことが効率化を上げる方法です。

では、『組織の効率を上げる事ができる人』はどういう人でしょう?
・素早く仕事できる人でしょうか?
・長時間働き続けることが出来る人でしょうか?
・ミスをしない人でしょうか?
・仕事が丁寧な人でしょうか?
実は、これら全てNoです。これらの人は従業員としては優秀な部類ではありますが、どちらかと言うと『組織の効率を悪化させる』可能性の方が高いです。丁寧な仕事やミスをしない仕事はできて当然ではありますが、丁寧にすればするほど時間はかかるものです。また、確認等の工程を増えてしまうことも多く、このような人たちばかりの組織では、どうしても効率は悪化していきます。


結論をいうと組織を躍進させる優秀な人材は『能力のある面倒くさがりの人」です。
・同じ作業を繰り返すことが嫌な人
それでいて
・改善する方法を知っていて実務レベルに落とし込める人
この2つを満たす人材が最も優秀な人です。

優秀な人は、改善や改良は好きですが、同じ作業の繰り返しを嫌がります。
そのため、同じ作業をしなくて済む方法を常に模索します。
例えば、行動予定表を『エクセルで名前を毎回入力していた』場合、『ドロップダウンで選択できるようにしてしまう』等です。
名前を入力するのに今まで5秒かかっていたものが、2秒で済みます。それでいて名前の入力ミスも無くなるのです。40人分、100人分と書類を作っていくと、その3秒の差がどんどん蓄積して大きな差を生むのです。
一時が万事このようにして「どうすれば同じ入力をしなくて済むか?」「どうすれば少ない作業で同じ成果を得られるか?」「どうすれば楽に同じ成果を出せるか?」を考えて試行錯誤し、重複作業を削れるところまで削って効率化を進めるのです。介護サービスは利用者と接する時間以外はお金を生みません。利用者と接する時間を最大化し、事務作業などの時間は最小化する事が事業所の評判を上げ、効率を上げ、介護士の給与を上げる事に繋がります。

そう考えた時、『無能な人材』も見えてきます。
・同じ作業を延々と繰り返す事に何の疑問も感じない人。
・工程を無駄に増やす人
・効率を高める方法を知らない人。
このようなタイプの人材しか居ない組織では、効率化は望めません。

工程を無駄に増やす事の害悪

ある事業所では、『効率化することは介護士を怠けさせて駄目にする。だから効率を上げることを考えてはいけない』という考え方をサ責が持っていました。
その事業所では、私なら1時間で済む業務を20時間以上かけて行うのです。

1、なぜか毎週シフト(ケアの時間)をわざと変える。
介護士の手間を増やすため、毎週シフトをコロコロ変え、その全員分のシフトをエクセルで毎週作るのです。
次に、数百行に及ぶエクセルDataを1行ずつ介護ソフトAに打ち込みます。
毎週シフトが変わるため、毎週利用者全員に電話して来週の予定を伝える業務が発生します。

2、なぜかエクセルと介護ソフト2つと、請求業者を駆使する
月初めには介護ソフトAで集計した実績を元に、介護ソフトBに利用者全員分の単位数のDataを入力し直してから、Dの会社にDataを送って国保連に伝送します。
更に何十名もの利用者への請求書はエクセルで一人ひとり名前と金額を手入力した上で印刷・郵送しているのです。
入力を毎回別のソフトに入力し直す形となるため、単位数の打ち間違いなどのミスが出ないように2人がかりで読み上げ作業をします。
入力作業も確認作業も工程が増えれば増えるほどミスの確率は上がります。上がった失敗確率を減らすために、より丁寧にじっくりチェックし直す必要が出てくるのです。

実は介護ソフトAにはすべての機能が備わっているため、介護計画を作ればワンクリックで週間予定が出来ます、週間計画をワンクリックで月間予定が作れます。40人分の月間予定は40分もあれば出来ます。エクセルでシフトを作る必要はなく、介護ソフトAの中でカチカチと数クリックするだけで週間予定も月間予定も実績集計も国保連請求も利用者請求も全て含めて5時間もあればミスもなく出来てしまう作業なのです。それを毎月100時間以上の時間を使ってやっと達成しているのです。
その作業をしているサ責は、朝から晩まで事務作業して残業までして身を粉にして会社に貢献しているつもりでしょうが、毎月5時間で済む作業・しかも全くお金を生み出せない作業に120時間かけるのは本当に無駄としか言えません。

作業を増やすことはミスの確率を上げ、確認作業の時間を要し、利用者にとっても従業員にとっても会社にとってもデメリットが大きすぎるのです。
無駄に作業を増やす『仕事を頑張っているつもりの人間』は組織にとって害悪でしか有りません。

組織を大きくするために必要な人材

組織を大きくしたければ、核となる業務以外は無駄を少しずつ削ぎ落とし、これ以上は無理というところまで効率化を図る必要があります。
限界まで効率を高めた状態のマニュアルを作り、そのマニュアルを「仕事が丁寧な人」や「素早く作業できる人」に実行してもらえば、効率の良い組織が出来ます。

『能力のある面倒くさがり』このタイプは会社を躍進させる可能性を秘めた本当に貴重な人材です。
採用できた際はその能力をフルに発揮できる状態を作りましょう。

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